学生の特権、3カ月間という長い夏休みが終わって、9月から1998〜99年の新学年が始まった。今年からニューヨーク市の約50の公立(パブリックスクール)小中学校が制服着用を実施することになった。白いシャツにブルー系のパンツやミニスカートといった制服を着た子どもたちは、良家の子女風に見ないこともなく、町中で目立っている。
“女子にスカート着用を強制できない”という市教育委員会のガイドには、アメリカっぽさを感じたけれど、他人と違うことに価値を見いだし、個性重視の教育が盛んなアメリカ、しかも多様性に富んだニューヨークで、画一的な制服着用の目的とは?
ニューヨーク市のパブリックスクールは、資金や教師の不足、教育レベルの低下、増える学校内犯罪など、さまざまな問題をかかえている。制服着用によって“生徒自身、また、他の生徒や教師、学校に敬意を表し、学習に集中できる”環境を作り出したいらしい。実際に他州では、制服着用で武器所持が減るなどの効果があり、来年度からは、すべての小学校(と一部の中学校)での制服着用が決定されている。
昨年、学校で起きた凶悪犯罪(殺人、レイプ、強盗)はやや減少したものの、それ以外の犯罪は26パーセントも増加。現在130校に警官が配置されているが、今後、学校の警備はニューヨーク市警(NYPD)の管理下におかれ、3200人の武装していない警備員が配置されることになる。大げさに思えるが、それだけ事態は深刻なのだろう。効果が現われるのは先になりそうだが、制服着用は興味深いので期待したい。