Cyber U.S.A + 1997年10月
パートナーはマイクロソフト!?--Macworld Expo/Boston '97
 

好調、Mac OS 8

 待望のMac OS 8が7月22日に発表された。予定通りのスケジュールだったので、思わず感心してしまった。

 米国では、6月1日以降にMac OS 7.6を購入したユーザーには、フリー・アップグレード(手数料と送料は9.95ドル)があって、私はそれが送られてくるのを待っていた。「当分来ないでしょ」と期待してなかったのに、8月1日に届いたので再び感心(販売担当はクラリス社)。

 Mac OS 8では、いままでのJapanese Language Kitが使えないというウワサがあって、インストールはしばらく控えようと思っていたのに、JLKのアップデータもすばやくリリースされた。

 これがビジネスの当たり前、と言えばそうなのだけれど、アップルの場合、いままでのことを思うと、スケジュール通りに事が運ぶのは幸せすぎて恐い。

 早速マニュアル通りにMac OS 8をインストールしようとしたら、CD-ROMから起動しなくて爆弾が2回も出てしまった。この場合のトラブルシューティングは書いてあったけれどめんどうなので、新しいシステムフォルダを作ればいいや、とマニュアルを無視して強引にインストール。

 ハードディスクのドライバが更新できなかったり、インストールの最後で空きスペースが足りなくなったり(95MB空きでOKのはずなのにー)したけれど、これまた強引に終了させてMac OS 8のできあがり。

 JLKとそのアップデータをインストールしてファインダを日本語表示にしようとしたら、いままでのView(表示)コントロールパネルがない! あちこち探してみたけれど、日本語表示に切り替えるところがない。途方に暮れていると、メニューバーのSpecialにRestartがないことを発見してはっと目が覚めた。

 インストールの最中でSimple Finderを選択していたので、ショートカットも使えない本当にシンプルなファインダになっていたのだった。

 やれやれと普通のファインダに戻すと、メニューバーのEditからPreferences...でOsakaフォントを選ぶことができた。

マイクロソフトと提携!!

 Mac OS 8をインストールはしたものの、使い込む時間もなく、6日からボストンで行われたMacworld Expoへ行ってきた。

 初日の基調講演はスティーブ・ジョブスが行うことが数日前に発表されていて、今回も期待大。彼が登場するだけでスタンディング・オベーションというのはやっぱりすごい。なんだか宗教団体の集会みたいだ。

 「Tempo(=Mac OS 8)、Allegroの次はRequiem(鎮魂曲)が出るなどと言われているが」、とジョークを飛ばしジョブスは、Mac OS 8が2週間弱で120万本の売り上げを記録したことを発表した。

 新CEOは発表されなかったが、ボードメンバーは発表され(オラクルのラリー・エリソンの名前が出たときは、大ブーイング)、アップルの“有意義なパートナー”としてマイクロソフトの名前がスクリーンに映し出されて会場がざわついた。

 “アップルの株を1億5000万ドル分購入”でどよめき、“Microsoft OfficeなどMac用のソフトの開発を続けること”では拍手がちらほら。しかし、“Internet ExplorerをMac OSのデフォルト・ブラウザにする”と発言したとき、会場からは悲痛な叫び声があがった(私も思わず「No way!」と叫んでしまった)。

 おまけにステージの大スクリーンに衛星中継でビル・ゲイツが登場。あまりの出来事に半分ショック状態になってしまった。

 アップルが本当にコケてしまったら、マイクロソフトは米国の独占禁止法に触れることにもなりかねない。この提携はマイクロソフトによる「アップルの生殺し状態」とも言われているけれど、現時点では本当にそうならないように、双方に幸せな関係が築けることをお祈りするしかない。

 実際、このニュースはメディアや世間を大いににぎわせ、アップルの株は急速に値を上げたのだ。

マイクロソフトのブースでは

 デフォルト・ブラウザになるということで、マイクロソフトのブースでInternet Explorer 4.0プレビュー版のデモを見た。みんな興味があるようで、デモ開始時間の前から立ち見の客もたくさんいた。

 Navigatorをずっと使ってきて「こういうのがあったらいいのに」と思っていた機能が搭載されているので、使ってみたい(使わざるを得ない!?)というのが正直な感想。

 デモが終わると、椅子に座っている客全員にマイクロソフトの紫のTシャツが配られたのには驚いた。普通はデモを盛り上げてくれた3〜4人にあげるくらいが常識なのに。資金力の違いか?

 このTシャツ、デザインはなかなかいいのだけれど、展示会場で着ている人は見かけなかった。やっぱりここでは着られないよな…と思いつつ、くるくると丸めてかばんの底にしまったのだった。

今月の近況●過去2回の灼熱がウソのように、今年のボストンは涼しかった。そしてMacへの愛を再確認してしまったエキスポだった。やっぱり宗教かな?



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