|
Cyber U.S.A + 1997年8月
ヴァーチャルペットに遠くの隣人 |
熱帯魚シミュレーションソフト、Aquazoneでグッピーを「餓死」させてしまった経験がある。モニタの水槽の底のグレーのまるっこいものが死体と分かったときは大ショックだったっけ。いま、バーチャルペットといえばたまごっち。ニューヨークでも、英語版たまごっち「Tamagotchi」が5月1日に大々的に発売開始された。2日に偶然おもちゃ屋の前を通り掛かり、運良く手に入ることができたが、入荷してもすぐに売りきれてしまうので、ニューヨークでも購入困難な状態なのだ。普通に買えば15ドル程度なのに、チャイナタウンでは50ドルの値札を付けられてTamagotchiが売られていた。恐るべし、チャイニーズパワー。
アメリカでもメディア受けがいいTamagotchi。モニタの前で思わず「ウソ!」と叫んでしまったのは、天下のNew York Times on the Web(www.nytimes.com)でTamagotchiの飼育日記が掲載されたことだった。7日目までは毎日。その後2、3週目と続いて日記は幕を閉じた。
Tamagotchiもどきの商品も発売/発表されていて、犬、猫、恐竜などの6種類のペットを飼育できるGigaPetsや、人間の赤ちゃんを育てるNano(これはさすがに死んだりしない。気に入らないと家出をしてしまうんだそう)といったキーホルダー型のものから、デジタルDNAを持った不思議な生物を育てる、パソコンシミュレーションゲームの「Creatures」まで、ちょっとしたヴァーチャルペット・ブームがアメリカでも巻き起こっているようだ。
Tamagotchiの情報が盛りだくさんのWebサイト「Tamagotchi Fever!」は、個人のホームページとして展開されていたのだが、あまりのアクセスの多さにプロバイダ側がギブアップ。一時サイトが閉鎖され、その後、GeoCitiesというオンラインコミュニティのWebサイトに引っ越しをして再開された。
いままで何度か目にしたことがあったが、GeoCitiesは単なるプロバイダだと思っていた。気になって調べてみたら、実は無料でホームページのスペースを提供してくれるコミュニティWebサイトなのだ。
登録するとユーザーに2MBの無料ホームページ・スペースとEメールアカウントを提供してくれる。現在では66万人の登録ユーザーが、GeoCitiesホームページを持っているそう。
興味別に個人のホームページのコンテンツを寄せ集めてコミュニティを作り、サイトに人を呼ぶという仕組みだ。
GeoCitiesは、Neighborhood(ご近所)として興味別にジャンル分けされて地名が付けられている。たとえば、Athensは教育や哲学、文学に関したこと。CapitolHillは政治や政府、Hollywoodはエンターテインメント、HotSpringは健康やフィットネス、TheTropicはリゾートやバケーション。Tokyoというジャンルもある。覗いてみると、アニメ関連のページが多いみたいだ。
私は知り合いのミュージシャンのWebサイトをボランティアで作るべく、GeoCitiesにサインアップしてみた。
音楽、ジャズ関係のNeighborhoodは…、と探してみるとBourbonStreetが適当らしい。ここはディープサウスのカルチャーやジャズ、ケイジャンなどをテーマにしたホームページが集まる街というわけだ。
まず、ページを開設するため、スペースの空き番地を調べなくてはいけない。検索をすると曲がりくねった道の両わきに、番地で整理されたホームページが並んでいるという画面が表われる。ページの真ん中には、スポンサーのショッピングのサイトの広告が表示されるようになっていて、ほかにもあちこちに広告が顔を出す。GeoCitiesにはショッピングなどのコマーシャルなエリアもあり、無料でサービスが受けられる分、スポンサーの広告を見せられることになるわけだ。
空き番地を探すのに時間がかかった。さすが、会員66万人。道の両わきにはぎっしりとホームページが建って(?)いる。規定の期間内に最初のページのアップロード、そして定期的にファイルのアップデートを行わないと、ホームページは抹消されてしまうから、幽霊会員は少なそうだ。これもゴーストタウン化を防ぐいいアイデア、と感心してしまった。
空き番地をみつけたら、そこをクリックして申し込みフォームに個人のデータなどを入力する。無料だから、細かくデータを入力させられて、マーケティングデータに使われるんだろうな、と思っていたが、これが意外とあっさりとしたフォームで好感を持ってしまった。
ホームページの内容に関する規約を読んでいると、商業利用、ヌードなどの写真の掲載、スポンサーのバナー広告の掲示は不可となっていて、ファイルはすべてリンクされていないといけない。隠しファイルとかはダメということ。
GeoCitiesがすべてのホームページの内容をチェックできるわけはない。そこで、ユーザーに規約違反のページを密告(!)してもらうシステムがある。また、コミュニティリーダーとしてボランティア活動をしてGeoCitiesに貢献するとさらにスペースが追加されたりするアイデアはまさに実際のコミュニティそのもの。個人のホームページのコンテンツはともかくも、Webサイトに人を呼ぼうとするGeoCitiesのアイデアやシステム自体がおもしろい。
プロフィールより●Webサイトからオーダーした、Norton Utilities 3.5が届いたので早速インストール。CrashGuard機能に期待をしていたのに、さっきからクラッシュしまくりで悲しい気分。
Tamagotchi Fever!は、大阪に住んでいたことがあるというジェイさんの個人ページ。