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Cyber U.S.A + 1997年3月
Macworld Expo“脇道”レポート |
昨年末のアップル社によるネクスト・ソフトウェア社買収発表、おまけにアップル創立者の一人であるスティーブ・ジョブズも古巣にカムバックの前宣伝のおかげで、13回目のMacworld Expoサンフランシスコで行われた基調講演への注目度がかなり高かったのはご存じの通り。基調講演はカンファレンスのパスを持っている人しか会場に入れない。席にも限りがあるので、ライブで見られるのは早いもの勝ちである。
開始は昼の12時だったので、1時間前に行けば余裕だろうと、11時すぎに会場のマリオット・ホテルのボールルームへ行ったのだけれど甘かった。エレベーターでボールルームへ下りていくと、そこはもう人でぎっしりの状態。すでに展示会場を回ってきて資料などを手に持っている人もいて、ドアが開くのをいまかいまかと待っていた。
基調講演のオープニングは、PowerBookがフィーチャーされた昨年の大ヒット映画「Independence Day」のシーンを使ったアップルのテレビCMがスクリーンに映され、ステージには主演のジェフ・ゴールドブラムが登場し会場が沸く。彼がアメリオ会長を紹介した。
ステージに現われたアメリオ会長がいつもと違う…。そうだ、ネクタイをしていない。スタンドカラーのシャツにジャケットという、若干カジュアルなスタイルである。地元紙によると、アメリオ会長が昨年2月にアップルのCEOに就任して以来、公の場所にネクタイをしないで登場したのははじめてのことだったらしい。
スターの登場はこれだけではなくて、ミュージシャンのピーター・ゲイブリエルがCD-ROMのデモをしたり、「エキスポのゲスト」として俳優のグレゴリー・ハインツ、なんとモハメッド・アリ(!)などが紹介された。彼らは単なるお飾りかと思っていたのだけれど、3日目に展示会場にハインツ氏を発見。「ちゃんと見てるのね」と感心した。
言うまでもなく、いちばん会場が盛り上がったのはスティーブ・ジョブズが登場したときだ。私は写真を撮るために、ステージの前の大型モニタの横に座っていたのだが、彼が現われると周囲のフォトグラファーが一斉に立ち上がって前におしかけ、大型モニタがステージのほうへずるずると押されてちょっとしたパニック状態になったほど。そんな訳で客席は見えなかったが、皆総立ちで拍手をしていたらしい。
ジョブズ氏はちょっとデザインに凝った白のスタンドカラーのシャツに丈の短いジャケット。最後にざっくりとしたセーターに黒のジーンズのスティーブ・ヴォズニアックまで登場し、アメリオ会長と3人並んでの記念ショット。ステージ上の台をぐるっと回転させたら斬新なデザインの創立20周年記念Macが現われて…、とずいぶんとショーアップされた基調講演だった。
しかし、スティーブ・ジョブズが登場するまでが長くて(基調講演は予定の90分を無視して、3時間近くあった!)、私の隣にいた女性フォトグラファーなどは、ひまつぶしにか途中でクロスワードパズルをやりはじめる始末。
展示会場はというと、真っ直ぐに歩くのに苦労するほどの人で賑わってはいたが、8月のボストン以降、目新しい製品もそんなになく、Be社とgolive proというWebページ製作ソフトをリリースしているgonet communications社のブースが大きくなっていたのと、Power Computing社のディスプレイのうまさ(ブースは要塞に見立てられて、スタッフは迷彩色のパンツにカーキのベストを着ていた。それと、社長のスティーブ・カーン氏の顔を印刷した広告があちこちにあって、かなりのインパクトだった)に感心したくらいだった。
最終日の10日は、日本のプレス向けのアップル本社ツアーがあった。
日本から来ているプレスは多くて、話が脱線するけれど、うらやましいのが彼らの持っている取材ガジェットの数々。普通のカメラはもちろん、デジタルカメラはあたりまえ。さらに8mmビデオ、デジタルビデオカメラ、MDでスピーチを録音…という状態。これらを一人で切り替えながら撮影しているのを見ると、ごくろうさま、と言いたくなってしまった。
ダウンタウンからバスで約1時間、R & D CampusがあるInfinite Loop(無限の輪)には、中心に広場があり、それを囲むようにして6棟のビル、さらにその回りを駐車場が囲んでいる。いかにもアメリカの郊外の企業という感じのつくりで、広々としていて気持がいい。
メインのビルの入り口のホールはガラス張りで明るい。カフェがあって、おしゃれなソファでくつろぐ人々がいる。これを見たら誰でも「こういうところで一度働いてみたい!」と思うんだろうな。
Newtonという名前にミーティングルームを発見。社内を案内してくれた、リサ・ナカモトさんによると、各ミーティングルームには変わった名前をつけていて、このビルはアップルの製品の名前が。ほかのビルにはテレビ番組や遊園地の乗り物、大統領の名前などがついているといるとのこと。「日本の旅館みたいでしょ」と、笑っていた。
今月のプロフィールより●サンフランシスコ到着後、ホテルにチェックインしたときにしょうもない理由でクレジットカードが使えなくなっていることが判明。一枚しかないのに!なんとか銀行のカードでキャッシュをおろしまくってサバイバル。エキスポ価格で買い物ができなかったのが残念。