Cyber U. S. A.


1996年12月号

シティガイド on the Web




気になるニュースは…

 ふとしたはずみで日本の新聞の衛星版を定期購読するようになったのだが、これが全然読まない。人生相談とか、連載小説とかニュース以外の読み物記事ばかり読んでいる。やっぱり気になるのは、住んでいる地元、ニューヨークのニュース。WebにしてもブラウザはThe New York Times on the Webが「ホーム」のページに設定してある。コンピュータ関連のWebサイトを抜きにして、よく訪れるサイトは、ローカルニュースやイベント情報のサイトなのだ。

 先日、ニューオリンズに旅行したときに、事前にWebで情報収集をしていて気がついたのが、ちょっと前と比べて検索が便利になったこと、全体的にサイトが増えていることだった。

 全米の各都市ごとに、ローカルなWebサイトをインデックスした、シティガイド風のサイトが最近増えてきている。

 おなじみのYahoo!がこの夏からはじめたエリア別インデックスは、ロサンゼルス、サンフランシスコに次いで、ニューヨーク版のYahoo! New Yorkが9月にスタートした。インタフェースはYahoo!と同じで、なじみがある分使いやすい。Webサイトのインデックスだけでなく、オリジナルのクラシファイドや伝言板などもあり、ちょっとしたローカルBBS風になっている。

 オンラインサービスのAmerica OnlineではDigital Cityというコーナーがあり、サンフランシスコ、アトランタ、フィラデルフィア、ロサンゼルスなどをカバーしている。Webサイトももうすぐ登場の予定だ。

 オリジナルのWebzineを出したりと、コンテント製作にも力をいれているMicrosoft社は、Cityscapeというサービスを、来年早々、まずはお膝元のシアトルからはじめるようだ。ニューヨーク、ボストン、サンフランシスコがこれに続く予定で、年末までには10〜15都市をカバーするとか。既存の新聞・雑誌媒体で働いてきた編集者を集めてチームを組んでおり、単なるインデックスものとは違った本格的なシティガイドになりそうだ。

 以前もこのコラムで紹介した、検索できるニューヨークのイベント情報サイト、Metrobeatが、やはり全米各都市のシティガイドを提供しようとするCity Searchに買収されたという話を聞いたのは7月のことだった。

 ニュースは「シリコン・アレーのサクセス・ストーリー」のひとつとして、業界では大きく報道された。

 2カ月前の5月にMetrobeatのオフィスを取材したとき、創始者のマーク・デイビス氏は、「はじめるにあたって、クレジットカードで借金をしまくった」と、笑いながら使えなくなったカードの束を見せてくれた。その上「まだWebサイトからは収益を上げていない」と言うので、「大丈夫かな?」と思ってしまった。オフィスには専任スタッフが10人以上いて、かなりの大所帯だったのだ。

 「実はMicrosoftから買収の話があったんだけど、僕たちは自分たちでやりたいから断ったんだ」と、取材したときに言っていたのを思いだしてちょっと苦笑してしまったが、パーソナライズされた情報を提供するMetrobeat 2.0計画や、さらに全米何都市かでもサービスを開始する、と言っていたのを考えると、買収の話は5月の時点でまとまっていたようだ。

 City Searchは「イエローページでもなく電子新聞でもなく、ビジュアルと検索機能に優れたインターネットという新しいメディアを使ったローカルコミュニティ向けの新しいサービス」と自らを解説している。まだ、数都市しかカバーされていないが、注目しておきたいサイトだ。

 ニューヨーク関連のWebサイトのインデックスといえば、Clay Irving氏のThe New York City Referenceがイチオシなのだが、ここにも変化が現われた。

 いままでは単純なHTMLのインデックスだったのが、検索機能がついて、USA CityLink Projectとリンクが張られるようになった。USA CityLink Projectは全米各州の主だった都市のWebサイトリンク集で、週に150通の申し込みのうち、50通を受け付けて、何でもかんでもリンクしてしまうのではないというところがポイントらしいが、同じタイトルのサイトがずらっと並んでいて解説もないので、ちょっと分かりづらいのが難点か。

 こうした各都市のシティガイドサイトが続々と登場している理由として、ゲートウェイとなる検索サイトにはたくさんの人が訪れる、そしてビジターのターゲットが絞りやすいので、広告が出しやすい、といった計算があるようだ。

 これらのサイトはオリジナルのコンテントを提供するのではなく、既存のページをリンクしているのがほとんどなので、最終的にたどり着く内容は同じなのだが、密に張り巡らされたリンクを先にたどったり、戻ったりを繰り返していると、これぞWebという感じがしてなかなか楽しい。



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