Cyber U. S. A.


1996年5月号

ワイアードなハイテクビル




Just plug in!

 ウォール・ストリート、ニューヨーク証券取引所のあるロウワー・マンハッタン。昼間はいかにもビジネスマン、いかにも観光客といった風情の人々で賑わうエリアに、リニューアルをして生まれ変わったオフィスビルが密かに注目を集めている。

 New York Information Technology Center(ITC)。住所が55 Broad Streetなので、このドメインネーム)は、ニューメディア、インターネット関連の企業をターゲットにしたハイテクビルだ。

 見かけはなんてことはない普通の(しかも、いささか古めかしい)オフィスビルなのだが、Just plug in!がモットーで、ビル内の各オフィスは、インターネットに簡単に、そして高速で専用線接続できる環境がはじめから整っている。また、ローカル電話会社NYNEXのラボとして、ビデオ・テレカンファレンス設備や大学間で使われる長距離間のラーニングシステムなどもビル内にできるようだ。

 レイオフやオフィスの移転などで活気が落ち込んでいるロウアーマンハッタンの再開発計画の一部として(このビルも5年間以上、空きビルだった)、ITCに入居するテナントは税金や光熱費などが低く押さえられているのも大きなメリット。

 予定よりだいぶ遅れてオープンはしたものの、工事中の部分もまだ多く、プロバイダーやWebサイトの制作会社など、テナントは現在10数社しか入っていない。

 実はITCの某オフィスに不定期に通っているのだが、テナントが少ないせいか、同業者ということで、別のオフィスで働いている人たちが次々に挨拶や偵察にやって来るのがおもしろい(余談だが先日などは、「ロビーのビデオウォールに、テナントの人たちがJust plug in!と叫んでいる映像を流すから」とビデオカメラをかついだ撮影隊がやってきた!)。

 普通のオフィスビルにはこんなことはないよなあと思うと、このITC自体がインターネット、ニューメディアのコミュニティのひとつになりそうな予感がして、これからの盛り上がりが楽しみなのだ。

 ITCは工事中ということもあってか、各オフィスのドアにはコンピュータのプリントアウトや手書きで社名を書いて貼ってあるのが泣かせるが、なんと私が通うオフィスの隣はNew York New Media Association(NYNMA)という、ニューヨークのサイバーブームの代表格的団体だったりする(ITCの共同スポンサーでもある)。

 NYNMAはニューヨークのニューメディア業界を活気づかせようと、1994年の10月に設立された非営利団体で、定期的にCybersudsというパーティ開催している。ニューヨーク+インターネット、またはニューメディア+イベント......とくると、パーティを連想してしまうくらい、最近はサイバーをネタにしたパーティが盛んなのだが、その背景には、新しい業種・業界で、同業者が見つけにくいから、ネットワーク作りにこれらのパーティを活用しよう、という目的があるようだ。実際にこれらのパーティに参加したことで「がらっとキャリアが変わってしまった」と発言している人もいる。

  

ニューヨークのイベント情報を検索できる超強力サイト

 ニューヨークのイベント情報を検索できるサイト、METROBEATが登場した。

 音楽、書籍、スポーツ、ナイトクラブ、シアター、フェスティバル、ストリートマーケット......と15セクション以上もの詳細なイベント情報が毎日アップデートされていて、そのページ数は9000にもおよぶというから、ニューヨークのイベント情報に関しては、最強のデータベースかもしれない。

 元は雑誌のエンタテインメント情報のリスティングを担当していたという人物が、経験豊富な編集者やジャーナリストたちを集めてMETROBEATをはじめた。いままでもこういったイベント情報を提供するサイトは数多くあったけれど、読みやすく、分かりやすく、そして情報量の多さでもMETROBEATは決定版(しかも無料!)。

 検索は多方面からできて、たとえば、「サイバー」「マンハッタン」「無料」なイベントを検索すると、前述のCybersudsのスケジュールが現われて、リンクの張られたNYNMAのホームページにも行ける、といった具合。そのうえ本職のライターや一般ユーザーが投稿したレビューが読めるようにもなっている。これからはニューヨーク以外の都市のサービスも増やす予定とか。



今月のプロフィールから

電話回線が1本しかない。最近「ずいぶん話し中だったねー」と言われることが多い。使っているプロバイダーは月60時間までと制限があるので、つなぎっぱなしは避けて、こまめに接続していたら、請求された市内電話料金がぐんと高くなってしまい(時間による課金はないが1回かけると10.6セント)、市内電話どこにでもかけ放題で月に11.05ドルのフラット料金制にあわてて変更。それにしても、アメリカの電話料金は安い。



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